溺愛は復讐の始まり
「分かったわよ!出て行くわよ!」

私は結の手からスーツケースを奪った。

「だけど、パパとママのお葬式には出ていいでしょ。」

「お好きなようになさいませ。」

悔しくて仕方がない。

「結!行くわよ!」

すると結は、ニタッと笑った。

「仕事もない、何もできないあなたに、なぜ私が付いていくのですか?」

「なぜって、結は私の使用人でしょ!」

「私はこの家の使用人です。」

すると結は、英の首元に腕をからみつけた。

「既に旦那様のものでございます。」

英も結の腰を抱き寄せ、額にキスをする。

「……寝たの?」

あの、男に興味なさそうな結が?

「言葉が悪いね。愛し合ってるだけだよ。」

英の言葉に、結がうっとりしている。

迂闊だった。恋愛に疎い結が、一度セックスした相手に憔悴するなんて、知り切った事だったのに。
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