溺愛は復讐の始まり
そして、どこからか薄ら笑いが聞こえてくる。

まるで私を見下しているようだ。

「あんたたち、恩を仇で返して。今に天罰が下るわよ。」

「お嬢様。」

結が私を見つめる。

「私達はお嬢様みたいに、何もできない人間とは、違うんですよ。」

「何もできない?」

「では逆にお聞きしますけど、お嬢様に何ができるのですか?」

私は手を握りしめた。

「何をするにも、私がやって差し上げていました。あなた自身で何かした事はございますか?」

「結。私を慕ってくれていたんじゃないの?」

「何を。私はただ……」

「ただ?」

「仕事をしていただけです。」

私の面倒も、あの献身的な態度も、あの笑顔も。

全てお金の為だって言うの?

私はスーツケースを持つと、後ろを振り返った。

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