君のスガタ
 私は周囲にいるクラスメイトを見て、思ったことを口にした。

「そうだね~。まぁ、まだ学園祭始まったばかりだしね。柚は松永先輩となんかあったの?」

 めぐみは隣にいる私にすかさず聞いてきた。

 クラスメイト達は笑顔を浮かべて、ここ行かない、ほらほらと天海祭のパンフレットを見て話していた。

「…なにもないから」

 私はめぐみの目を見ていたが逸らして、答えた。

「逸らしたってことはなんかあったかな」

 めぐみは腕をぐいぐいと私の右腕を突っついてきた。

「……っないことはないけど。松永先輩見ると、なんかこう……」 
 
 私はあいまいな気持ちを言葉にするのは難しかった。

「それは恋ですか?」

 めぐみは敬語で私に質問してきた。

 好きってなにから恋って分かるのだろう。

 ……分からない。でも、なにか違う気がするけど、松永先輩に恋心を抱いてはいけない気がするんだ。

「…違うよ」

 私は目を閉じてから答えた。

 違うよって言ったのに切ない。

 切なくて胸に入ってる空気が空気じゃなく、水がゴボゴボと入りこんでくるみたいだ。

「…柚が言うならなにも言わないけど。うん、分かった」
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