浮気されて振られたが、ハーフイケメン外科医に溺愛されています。
「そうよ……賢一郎。私はもう新しい恋人が居るの。あなたとの関係は既に終わっている。だから、もう二度と付きまとわないで」

 これだけハッキリと言えば分かるだろう。ショックを受けた賢一郎の顔は真っ青になっていたが、仕方がない事だ。

「さぁ、行こう。下に用があって来たんだけど、危なかったね。心配だから車まで送るよ」

 そう言って滝川先生は、緋色を車のところまでついてきてくれた。ショックで座り込む賢一郎は置いて行ったが、その後に騒ぎを聞きつけた警備員が来てしまい、どうなったか分からずじまいだった。

 その夜。賢一郎の発言から和田先生の名前が出てきたので、彼女なら事情を知っているかと思って由美香に電話をしてみると意外な事実を知る。
 緋色が退職した後に、柚香は堂々と賢一郎のデスクまで来るようになってしまった。
 人目を気にせずに緋色の悪口まで言ってきたのを聞いた和田先生が激怒。
 それを見た別の医師達は柚香の存在に呆れてこう話したと。

「俺も彼女に食事に誘われた事がある」

「あ~俺も。妻が居るから断ったけど。あの子、医師には見境ないよな?」

「というか、北澤さんが辞めたのって、あの子のせい?」

 緋色が辞めた事で、勤務スケジュールや頼み事が出来なくなってしまい、仕事に支障が出ていると他の医師達から庶務課に苦情が出てしまったらしい。
 もともと医務局の事は、ほとんど緋色が担当していたので居なくなったのは、大きな痛手だった。そのせいで、いい迷惑だと由美香が怒っていた。
 それだけではない。医師達もだが、噂を聞いた看護師達からも白い目を向けられているらしい。

『まぁ、それをきっかけに、あの2人は別れたらしいから。小嶋先生も今さら緋色のありがたみを知ったんじゃない? まぁ、だからと言って、職場まで来るとか気持ち悪いけど』

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