二週間の偽装彼氏~義兄の兄に溺愛されています~
「え……!? ここ、です……か!?」
到着した街で、案内されたのは、洋服屋。
いや、この店構えなら『ブティック』だ。
建物は白い壁と、張り出した大きな黒い屋根で、現代的な雰囲気。
ショーウインドウには高級そうな、美しいワンピースが展示されていた。
そんな建物の前に立っただけで、美璃はぽかんと立ち尽くしてしまった。
着いたエリアが銀座……美璃にとっては『お金持ちの街』……だったことにすでに戸惑っていたのに、その中でも明らかに高級店とわかるお店ではないか。
「ああ。俺がよく来ている店だから心配ないよ。入ろう」
なのに颯士はさらっと言い、美璃を促す。
(こんな、仕事帰りのオフィスカジュアルなんて格好で入っていいのかな)
美璃は戸惑いながらも、一歩踏み出した。
しかし、直後、どきんっと心臓が跳ねてしまう。
すっと颯士の手が美璃の肩に回ったのだから。
軽く抱くようにしてくれる。
優しく、肩を包み込むその手つきは、昨日、美璃が姉と誤解して抱きついたときに触れてくれたときと、まったく同じ優しさを持っていた。
美璃の胸の鼓動が一気に速くなってしまう。
到着した街で、案内されたのは、洋服屋。
いや、この店構えなら『ブティック』だ。
建物は白い壁と、張り出した大きな黒い屋根で、現代的な雰囲気。
ショーウインドウには高級そうな、美しいワンピースが展示されていた。
そんな建物の前に立っただけで、美璃はぽかんと立ち尽くしてしまった。
着いたエリアが銀座……美璃にとっては『お金持ちの街』……だったことにすでに戸惑っていたのに、その中でも明らかに高級店とわかるお店ではないか。
「ああ。俺がよく来ている店だから心配ないよ。入ろう」
なのに颯士はさらっと言い、美璃を促す。
(こんな、仕事帰りのオフィスカジュアルなんて格好で入っていいのかな)
美璃は戸惑いながらも、一歩踏み出した。
しかし、直後、どきんっと心臓が跳ねてしまう。
すっと颯士の手が美璃の肩に回ったのだから。
軽く抱くようにしてくれる。
優しく、肩を包み込むその手つきは、昨日、美璃が姉と誤解して抱きついたときに触れてくれたときと、まったく同じ優しさを持っていた。
美璃の胸の鼓動が一気に速くなってしまう。