エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
 ……うん。悪くない、かもしれない。

 そう考えながら目を閉じようとした私は、けれども次の瞬間、突然辺りが明るくなったことに驚いてビクリと体を震わせる。


「……陽咲、なにしてるんだ?」


 リビングの出入口に立ち照明のスイッチに手を伸ばしていたのは、驚いた表情の朔夜さんで。

 さあっと、血の気が引いた。とっさに上半身は起こしたけれど、イタズラが見つかった子どものように、私はうろたえる。


「朔夜さん……あの、私……その」


 しどろもどろ答える間にも、彼は目の前まで近づいてきていた。

 ──情けない、と、もう何度目になるかわからない自分への失望を、懲りずにまた繰り返した。

 鼻の奥がツンとする。じわ、と涙が滲む。

 息苦しさにうつむいて胸もとを握りしめる私の傍ら、朔夜さんが膝をついた。

 その大きな手が、震える私の肩をそっと掴む。


「謝らなくていい」


 かけられた言葉に、は、と顔を上げた。

 朔夜さんはただただ真剣な表情で、まっすぐにこちらを見つめていた。
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