幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
カイは両親の言葉に満足げに微笑んだ。
「その言葉を聞いて安心しました。ご安心ください、青山社長には御子息についての調査書を既に渡してます。和樹さんが美夜さんにしてきた数々の仕打ちを知り大層悔やんでおいででした。婚約の話は白紙に戻し、桜井家に決して不利益を齎さないと約束してくれるそうです。ああ、和樹さんですが人間性に問題があると後継者から外されるとか」
(和樹くん…)
彼は次期社長という地位に固執していた。プライドもかなり高い。自分に下された社長の判断に納得がいかない、と暴れているかもしれない。が、可哀想だとは思わない。美夜がカイを頼ったことで事が大きくなってしまったが、自業自得だ。
「そうですか…失礼ですがあなたは美夜のためにここまで?」
「はい、私は美夜さんが他の男のものになるのが耐えられなかった。だから手を打ったのです…私は美夜さんを愛していますしいずれは結婚したいと思ってます、どうかお許しいただけないでしょうか」
カイが深々と頭を下げる。そんなカイに父が焦り出す。
「頭を上げてください…私は美夜の苦しみに気付かず最悪の選択をするところだった。美夜があなたとのことを望むのなら反対は致しません。娘の意思を尊重します、が…ご覧の通りうちは一般的な家庭で。とても清宮グループの御曹司に嫁げるような教育は受けておりません。本当に娘で良いのですか?」
「美夜さんが良いのです、人生を共に歩んでいく相手は彼女以外私には考えられません」
カイは父の目を見てはっきりと、強い口調で言い切った。美夜は彼の隣で泣きそうになるのを必死で堪える。涙脆くはなかったはずなのに、すっかり涙腺が緩くなってしまった。