幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。


「そうですか、分かりました。ですが娘はまだ大学生、くれぐれも節度を保った交際をお願いしますよ…?」

眼光を鋭くした父にカイの顔が一瞬固まった。遠回しに妊娠させるなよ、と言われ美夜は恥ずかしくて俯く。今この瞬間だけは父がカイより優位に立っていた。

「お前もそれでいいな?」

「勿論!反対する理由なんてありませんわ!」

同意を求められた母は水を得た魚のように生き生きとし出す。母は明らかに喜色を露わにしている。娘が玉の輿に乗る、と興奮しているのだ。和樹の時とあまり変わらない反応に肩を竦めた。

美夜の心には両親、特に母に対する失望が未だに残っている。問題が解消したとはいえ、簡単に蟠りは消えない。そんな状態で両親と共に生活することに憂鬱な気分になっていると。

「ありがとうございます…それで、不躾なお願いなのですが暫く美夜さんと同居させていただきたいのです」

とんでもない発言にこの場にいた全員が面を食らう。当然美夜も(同居⁈何それ聞いてない⁉︎)と混乱の境地にいる。

「それは何故?」

「和樹さんが美夜さんを逆恨みして接触してくる可能性があり、ほとぼりが冷めるまで私のマンションにいた方が安全だと思ったからです。セキュリティもしっかりしてますし」

「確かに、こんなことをする人ですからね…彼は過去にも何度かうちに来たことがありますし。その方が安全でしょうか…」

父は考え込みつつもカイの提案に乗り気だ。美夜も和樹のことが気がかりではあったし、不安の種でもあった。自宅よりカイのマンションの方が断然安全であるのは実際に足を運んだ美夜にはよく分かる。

「…ご迷惑をおかけしますが娘をよろしくお願いします」

「ご安心ください、美夜さんは必ず守ります…実は同居を提案した理由はもう一つありまして…」

するとカイが急に冷ややかに目を細めた。美夜を含めた全員に緊張が走り、顔が強張った。
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