幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
汚物を見るような目を美夜から向けられてることに気づいた和樹は、それでも「美夜!」と縋るように名を呼ぶ。

もう怖くはない、ただ気持ち悪いだけ。

「は、話を聞いて」

「和樹くん」

言葉を遮った美夜の背筋も凍るような冷たい声に和樹は固まった。そしてみるみる表情が絶望に染まっていく。

「…私あなたのこと、大っ嫌い。顔も見たくない。もう話しかけないで」

そう吐き捨てるとキャリーを引いてその場から去って行く。

「…好きならそれを行動で示せば良かったんだ。そうしたら美夜と君の関係も変わっていたかも知れないのに、君は間違えた。もう取り返しがつかないな」

「…」

「君が散々傷つけた美夜は俺が幸せにする…せいぜい後悔に苛まれ続けろ」

カイも虚ろな目の和樹を置き去りに、美夜の後を追いかけた。



< 36 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop