幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
車に戻った美夜は運転席のカイにこう切り出す。
「カイさん、清宮グループの方だったんですね。いろいろと多大なご迷惑を…清宮さんとお呼び」
「名字で呼んだら、お仕置きで唇腫れるまでキスするからな」
恐ろしい脅しに美夜は「はい、カイさん!」と答えるしかない。カイはククク、と笑う。
「何笑ってるんです!そもそもこんな大事な話をさっき知らされて、叫ばなかった私を褒めて欲しいくらいですよ」
「悪い悪い、まあサプライズ?」
「こんな心臓に悪いサプライズいりませんよ…何故教えてくれなかったんです?何と無く理由は想像つきますけど」
「想像通りだよ、子供の頃から肩書きや見た目に釣られて近づいてくる奴が多くてな。柏木は全く態度が変わらなかった数少ない人間だ、だから今でも付き合いが続いてる」
美夜はうんうんと頷いた。確かにオーナーは相手が財閥系御曹司だろうと、あの態度を崩さなそうだ。だからこそカイは彼との付き合いを続けているのだろう。
「万が一距離を取られたらと思うと怖くてな、美夜には言えなかった」
否定出来ない。今は兎も角以前の美夜は自分のような人間が親しくするなんて、恐れ多いと距離を取った可能性は高い。カイは不敵に微笑み、美夜に顔を近づけてくる。