幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。

「だ、ダメですよ!ここ外!」

「見えない見えない、大丈夫」

「大丈夫じゃない!」

「…じゃあ家なら良い?」

おねだりする大型犬みたいな目をされると、美夜はすぐ流されそうになる。譲歩してやったみたいな雰囲気を出してるが、車の中は嫌という美夜の主張は間違っていないはずだ。

(この人…)

けど、結局流されてしまうのは美夜もカイに触れられたいと思ってるから。

「い、良いですよ」

受け入れた美夜にカイの表情が一段と明るくなる。本当に尻尾を振る犬に見えてきた、幻覚だろうが耳も見えてきた。

「あ、さっき言ったけど抱き潰すつもりだから覚悟しとけよ?明日休みだから問題ないよな」

「あれ本気だったんですか!」

「当たり前だ、昨日は今日のためにかなり我慢したからな。全く足りない」

(あれで我慢してたの?今もちょっと腰痛いのに!)

「お、お手柔らかに…」

「…善処する」

変な間があった、信用ならない。が、美夜は言い返さなかった。カイに重すぎる愛を注がれることに喜びを感じていたからだ。

車を発信する前、ふとあることを思い出した美夜はカイに聞いてみる。

「そういえば、婚約の話が出なかった場合カイさん私に何も言わないつもりだったんですか?」

「ああ…どうだろうな、俺そんなに忍耐力ないから結局告って、素性明かしても逃げられなようにドロドロに甘やかして囲いこんでたかも」

「こわ」

どちらにしろ美夜はカイからは逃げられない運命だったらしい。

「そんな怖い奴を好きなのは美夜だろ?」

勝ち誇った顔がムカつくが、事実だから何も言い返せない。

美夜とカイの関係はこれからやっと始まる。当然壁に突き当たることも、身分差もあり数々の困難が降り注ぐこともあるだろう。

カイは美夜を守ってくれるだろうが、守られるだけの存在ではいたくない。もっと努力しよう、と決心する。

美夜はカイと過ごす未来に想いを馳せる。

幸せな未来になることを願って。

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