〜ミミコイ〜ミミから始まる10秒間

63~65話

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【Ch.63】


でも……もしかしたら
こうして貰えるのも

これで本当に
最後かもしれない

それなら私は、遠慮しないで
推しを堪能させて頂きます!

ぎゅっ……

推しの腕の中へ飛び込む私を
いつになく優しく包んでくれて

はぁ……緊張してる
しないわけない

今日で最後は嫌だなぁ……でも


「ねぇ、りく?」

「ん? なぁに、ほたるちゃん」

まさか今から告白されるなんて
なんにも知らない顔をして
優しく微笑んでる彼

私は、ようやく決心をして
りくをゆっくりと見つめた。


「好きです……りく。

5年前に出会ってから
本当にずっと

ありがとう……
ずっと私達ファンの為に

ちゃんとした休みもないくらい
忙しいのに頑張ってくれて

あの日も……
その声で、私を救ってくれて

ずっとずっと
ありがとうって
お礼が言いたかったの

たまたま
フラれた後に流れてたアニメに
りくが出演してただけかもしれないけど

私は、本当に救われました。
ありがっん……」

まだ言い切ってないのに
不意に口が塞がれて

静かに
私の瞳から涙が流れ落ち

私の唇から彼の唇が
ゆっくりと離れて

今まで見た事ない
一番穏やかな表情と声で
彼はこう告げる。


「泣かないで。

俺も
ほたるが大好きだよ」

この一言で
私のダムは一気に崩壊し

この日の夜
私は泣いて笑って

気づけば朝まで眠っていた。

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【Ch.64】


後日……昼休みに
駅前のカフェテリアにて

私は、まいちゃんに
結果報告をしに来ていた。


「って事がありまして……無事に」

「おめでとうー!!

ってどしたの
無事に両思いじゃん。
最初からだけど」

「え、いや、だって
お互い好きって言っただけで
付き合うなんて話しなかったから」

彼女は
はぁ……とため息をついて
コーヒーを一口飲んだ後

全く
この子は世話のかかると
言わんばかりな顔をして


「そこは暗黙の了解で
付き合うってなってるから、安心して?

てか、もう付き合ったんだから
今もラブラブ甘々な
Limeしてるんでしょ?」

「うーん……そうなの?

Limeは普通に、おはよとか
お疲れ様〜 仕事終わったー
とかかなぁ」

「あら……そうなんだ

意外と2人とも
落ち着いてるんだね

特に彼氏の方が
ベタベタしてるんだと思ってた。

私のほたるを……
うんたらかんたら」

ま、まいちゃん……

あんなに応援してくれてたのに
今はりくに嫉妬してるし

でもこの2人
なんか最初から
オオカミとライオンの様な
雰囲気あったからなぁ

いつか
ケンカしないといいけど……


「まぁ……ほたるが元気で幸せなら
私は、なんも言うこと無いけどさ」

「本当にありがとね。

実は心ばかりの品ですが
まいちゃんと空さんに
コレ持ってきました!」

「え、何これ?!」

りくと両思いになって次の日
2人に感謝の気持ちを込めて

まいちゃんには
ずっと欲しがってたorangePotoを

空さんは、今付けてる
orangewatchが
旧型だったから最新のやつを

仕事終わりに
マッハで買いに行った。

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【Ch.65】


まいちゃんは
今にも泣きそうな表情で

orangePotoに
顔をスリスリさせながら
喜んでくれている


「ありがと〜。

ほたるだと思って
肌身離さず持ち歩くね!

しかも空にまで……
絶対喜ぶわ」

「うん、本当に
お世話になりっぱなしだったからさ」

「あ、じゃあお礼ついでに
もう1つ助言しとくね……」

「え、なになに?」

なんか
まだ助言してもらうような
やばい事あったっけ?

思いつかないけど……なんだろ?


「可愛い下着
買っといた方がいいよ!」

「ブハッ!! ゴホッゴホッ。

え、あ、それは……
確かにそうだよね」

まさかそこを突かれるとは
全く思ってなくて……

ノーマークだったから
思いっきりカフェラテが
変なとこに入った。


「服とかメイク用品とかと
一緒に買おうか悩んで

さすがに
まだ付き合ってなかったし

あの時は
まーいっかと思ってたけど……

あ、あとムダ毛ね!
家庭用脱毛器サボってるの
まいさんは、見逃してませんよ」

「うぅ……すみません」

もう本当……
まいちゃんに嘘は付けない

どこまで頼りになるんだ
……この人は。

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