極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
 でも、嫌などころかむしろ私の心は喜びに溢れていて、そしてこれからもずっと彼と一緒にいたいと心からそう思った私は、左手の手のひらを上に向け彼の指と自身の指を絡めた。

 きゅっと握ると一瞬ピクリとした彼の手も軽く力を入れ私の手を握る。
 さっきまでおちゃらけて笑っていた彼は、その前に見た真剣な表情でも初めて見た時の少し呆れたような顔でもなくじわりと頬を染めた。

 
「ね、やっぱり今日は酔わないで。……ここのホテルに部屋取ってるって言ったら、引く?」
「今日はもう飲まないようにする」

 きっと彼よりも、そしてこのグラスに入ったロゼよりも赤い顔になっていることを自覚しながら、私は呟くようにそう返事をしたのだった。
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