極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
 もしその状況で光希に連れられたホテルが超高級ホテルだったとしたら、それは普通にお金目当てだと思っていただろう。

“いや、例え本当にお金目当てだったとしても悪いのは私で光希じゃないんだけど”

 いくらやけくそになっていたとはいえ、初対面の男性をお金で買おうとする私が一番悪い。

「けど今回はさ、ちょっと強引だったけど一応俺たちの初旅行だし」
「うん」

“あの時買ったのが、出会ったのが光希で本当に良かった”

「ありがとう、ちゃんと嬉しいから安心して」

 光希の方に体を寄せると、そっと腰に腕が回される。
 そしてそのまま、ちゅ、と唇が塞がれた。

「ん、待って……大浴場……」
「部屋にもお風呂ついてるよ」
「ぁ……、んっ」
「後で一緒に入ろっか」

 沢山歩いたから、汗をかいたから。
 それらの言い訳全てを塞がれ、ベッドの方へと誘導される。

 流石高級ホテルだと思うほどの広さと、少し厚手のフットスローに足をかけ、優しい手つきでベッドへと寝転ばされた。

 ちゅ、ちゅと角度を変えて何度も口付けが降ってくる。

“気持ちいい”
 
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