気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「どうしてやることが増えるんですか?」

「俺も君を呼び捨てで呼んでみたいから」

 どう反応していいかわからず、ごまかすように白米を口に運ぶ。

 いつの間に志信さんが食べ終えていたのか、まったく気づかなかった。

「呼びたいなら別に……私はかまいませんよ」

「じゃあ、優陽」

 この展開は充分予想できたはずなのに、動揺して軽くむせてしまった。

「なんだ、俺に呼ばれるのは嫌だったか?」

「い、嫌じゃありません。でも、なんだか変な感じで……」

「次は君の番だ。そもそも俺の名前は覚えているのか?」

「……志信さん、です」

「覚えているようでなにより。で、これからはどう呼ぶんだ?」

 なにやら楽しげな表情を浮かべているのが悔しい。

 彼は紳士的で優しい人だと思うけれど、たまに意地悪だ。

「週末のデートで呼びます」

「そうきたか。いいよ、楽しみにしているから」

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