気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 志信さんが微妙に気まずい顔をしたのは、彼がよく『これは夜食にしてもいいのか?』と聞いてくるおかずの数々がそれだと気づいたからだろう。

「……常備するためのものなら、言ってくれれば食べないようにするぞ」

「大丈夫です。これからは夜食も用意しようと思っているので」

 気まずそうにしていた志信さんの顔がぱっと明るくなる。

 案外、かわいいところがあるのかもしれない。

「志信さんはお酒が進みそうなものが好きですよね。今度、休日を使って時間のかかるものを作ろうと思うんです。おでんとか、餃子とか」

「いいな、うまそうだ」

 好意的な反応が返ってきてうれしくなった。

 餃子を包む作業は大変だけれど、たくさん食べる彼を想像したらいくらでも作れそうだ。

「ほかにはどういうものを作れるんだ?」

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