気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 後頭部を押さえ込まれて、さらに深く口づけをされる。

 息の仕方がわからない旨を訴えたからか、先ほどよりは呼吸のチャンスがあった。

 でも、さっきまではあった優しさが薄れている。

「ゆう、せい……さん……」

 ちゃんとキスができないから怒らせたのだろうかと不安になった。

 荒い呼吸のせいで勝手に滲んだ涙が頬を伝ってこぼれていく。

 それを見たのか、志信さんははっとしたように唇を離した。

「泣かせるつもりは……」

「ち……違うよ、びっくりして……。上手にできなくてごめんなさい」

「別に怒っていないよ」

「だってさっき……今言うなって」

 志信さんはふーっと大きく息を吐くと、私から腕を離して一歩後ずさった。

「適切な言い方が思いつかなくて申し訳ない。初めてのキスの相手だと思ったら……興奮した」

 普段は余裕の表情を浮かべている志信さんが、顔を真っ赤にしていた。

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