初恋御曹司と失恋部下の、一夜から始まる甘い恋

「いただきます」と言ってご飯を食べ始めた伊藤さんの腕を見ながら望が話しかける。

「伊藤さんてジムとか行って筋トレしてるんですか?」
「ジムは行ってないけど、家で軽く筋トレしてるぐらいかな。学生時代はガチでやってたけど」

伊藤さんは百八十センチ越えのマッチョ系だ。
望はジムに行きだしたのでそういったことが気になるんだろう。

「そうなんですね。甲子園に行くぐらいの強豪校なら練習とかきつかったんじゃないですか?」
「そうだな。朝練して授業受けて放課後にまた練習しての繰り返しだったな。その間にウエイトトレーニングもメニューに入っていたから最初の頃はきつかった。慣れるとそうでもないけどね」
「筋肉痛とかヤバいですよね。最近、ジムに行きだしたんですけど密かに筋肉痛で苦しんでました」

望が肩を竦める。
二人の話を聞きながら、なんとなく思いついた疑問を口にした。

「私は運動部じゃなかったから分からないけど、食事の量も凄かったんじゃないですか?」
「確かに当時はめちゃくちゃ食べてたなあ。高校は実家から通っていたんだけど、母親が食事のサポートしてくれていて、管理栄養士の友人にアドバイスをもらって料理を作ってくれていたんだ」
「じゃあ、伊藤さんが甲子園で活躍できたのはお母さんのお陰でもあるんですね」

子供のために何かをしてくれる親がいてくれるのは本当に心強い。
話していて自分の母親のことを思い出す。
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