冷酷社長が政略妻に注ぐ執愛は世界で一番重くて甘い

 「香蓮……」

 玲志は彼女の言葉に目を薄め、さらに熱い眼差しを注ぐ。

 「私は、玲志さんがいれば幸せです。だからもう……、離れたくない」

 「俺もだよ」

 ふたりの想いが重なったのと同時に、香蓮は腕を引かれて玲志に唇を奪われる。

 合わさるだけの優しいキスが、角度を変えて熱を持ち激しいものへと変わっていく。

 今受け止めている口づけは、今までと比べ物にならないくらい甘美だ。

 (一センチも離れたくない。なんて、恥ずかしくて言えない)

 香蓮は腰を抜かしながらも彼の首に腕を回し、唇を求める。

 ベッドに押し倒した玲志は乱れた香蓮の首筋や肩、胸……全身に淡いキスの雨が降らせる。

 彼女は甘い愛撫を受け止めながら熱い眼差しを注がれ、言葉を交わさずとも彼からの愛を肌から感じた。

 「あんなことがなかったら、こんなに遠回りせず愛し合えたのかもな」
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