私の愛したゴミ
カラカラと氷をストローでかき混ぜる慎重な手つき。平日のカフェは閑散としていた。

「あんた、モテるのにトウヤじゃなくても選び放題じゃん。なんでトウヤなの?」
「あんなのただの思わせぶりなだけじゃん」

「だよね〜」

「だよね〜じゃなくて理由を聞いてんの」

逸らそうとしたけど失敗したみたい。

「思わせぶりなのは分かるけど好きなんだもん。まあ好きになる人は選べないし、仕方ないよね。」

恋は理屈じゃないのだよ〜なんて笑いながらフォークに指したいちごをモモカの口に突っ込んだ。

私はきちんと笑えているかな。

この話題は苦手だった。いつも決まったことしかみんな言わないから。

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