元・最下位の妃、2度目の政略結婚で氷の冷酷王に嫁ぎます~「愛は望むな」と言われた出戻り王女が愛され妃になるまで~
確か父からも『ビクルス国から熱望された』と聞いたが、理由に心当たりがなくアリスは不思議に思った。一方のロジャーは「はいはい」と笑う。
「では失礼します、アリス妃殿下。また」
ロジャーは片手を上げてウインクすると、颯爽と立ち去る。その後ろ姿を見送り、ウィルフリッドははあっと息を吐いた。
「ロジャーはポーター侯爵家の嫡男で、俺の側近をしているんだ。幼いときからの友人だ」
「それで。どうりで仲がよさそうだと思いました」
アリスはふふっと笑う。そのとき、ウィルフリッドが何かに気付いたような顔をして来賓のほうに声をかけた。
「叔父上、叔母上」
ウィルフリッドが片手をあげると、それに気付いた四十歳前後に見える夫婦が近づいてきた。