執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
しかし目の下の艶っぽいホクロはあの日と同じで、確かに彼だとわかった。

(どうしよう……とりあえず挨拶)

動揺した心中を隠すかのごとく深々と腰を折る。

幸い、冷静に見えたようで、哉明は「そんなにかしこまらなくていい。座ってくれ」と美都に着席を勧めた。

「……はい」

鼓動をばくばくさせながら美都は椅子に腰を下ろす。

顔を上げると、そこには形のいい大きな目があって、視線がぶつかった。

なんて気高く力強い眼差しだろう。目を逸らしたい衝動に駆られるけれど、それはそれで失礼だ。

じっと見つめ返すと、睨まれたと感じたのだろうか、哉明がきょとんとした顔でこちらを見た。

余計にいたたまれなくなり、今度こそ目を逸らす。

「よろしければ、お飲み物をお伺いします」

脇に立つスタッフの声がけに救われた。哉明の視線がスタッフの持つドリンクメニューに移った途端、美都は緊張が解け、息ができるようになった。

スタッフが本日のお勧めを教えてくれる。

説明はさっぱり頭に入ってこなかったが、とりあえず美都は紅茶を、哉明はコーヒーを頼んだ。

注文を終え、再び眩しい目がこちらに向く。

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