【完結】素っ気ない婚約者に婚約の解消をお願いしたら、重すぎる愛情を注がれるようになりました
「あの中で一番男らしくてかっこいいのはアルベール様じゃないですか。もっとご自分に自信を持ってくださいな」
「……本当ですか? 本当に、本当にシュゼット嬢はそう思ってくださっているのですか?」
「え、えぇ、まぁ……」
うん、あの中で一番男らしいのはアルベール様だと私は勝手に思っている。けど、アルベール様のお言葉にまっすぐな返事は出来なかった。なんだか、怖かったから。……なんだか、言いくるめられているような気がしたから。
「そ、そもそも! 私のことが好きなのでしたら、どうしてあんな風に嫌われるような態度をとるのですか! おかげで私、アルベール様に付きまとう図々しい女って周囲から思われていたのですよ!?」
その思い込みの所為で、私は嫌がらせばかり受けていた。そりゃあ、味方をしてくれる人もいた。でも、敵の方が圧倒的に多くて。たまーに出る社交界ではドレスに果実水をかけられるのは当たり前。一番ひどいときは、階段から突き落とされたこともある。その時は偶然兄が側にいたこともあり、その犯人のご令嬢は表に出てこれなくなったけれど。噂では、修道院に送られたとかなんとか。
でも、アルベール様が普通に私と接してくださればこの嫌がらせは少しでも減っていたと思う。だって、相手方のご令嬢はいつもおっしゃっていた。
――嫌われているのに、未だに付きまとうのね、と。
「アルベール様が、どういう意味であんな態度を私に取っていたのかは分かりません。ですが……それでも、それでもっ! 私は辛かった……!」
嫌味とか言われて、嫌がらせをされて。たかが子爵令嬢のくせにって見下される。そんな日々がどれだけ辛いか。男性のアルベール様にはきっと理解できないだろう。普通、こういうシチュエーションでは婚約者が守ってくれるのが鉄則だろう。なのに、その婚約者であるアルベール様は私のことを嫌うような態度。これで苦手になるなという方が無理だった。
「シュゼット嬢……」
「おかげで私はアルベール様のことが大の苦手になっちゃったんですからね!」
そして、勢いに任せてそんなことを言ってしまった。……それから三秒後。激しい後悔が私を襲った。
「……本当ですか? 本当に、本当にシュゼット嬢はそう思ってくださっているのですか?」
「え、えぇ、まぁ……」
うん、あの中で一番男らしいのはアルベール様だと私は勝手に思っている。けど、アルベール様のお言葉にまっすぐな返事は出来なかった。なんだか、怖かったから。……なんだか、言いくるめられているような気がしたから。
「そ、そもそも! 私のことが好きなのでしたら、どうしてあんな風に嫌われるような態度をとるのですか! おかげで私、アルベール様に付きまとう図々しい女って周囲から思われていたのですよ!?」
その思い込みの所為で、私は嫌がらせばかり受けていた。そりゃあ、味方をしてくれる人もいた。でも、敵の方が圧倒的に多くて。たまーに出る社交界ではドレスに果実水をかけられるのは当たり前。一番ひどいときは、階段から突き落とされたこともある。その時は偶然兄が側にいたこともあり、その犯人のご令嬢は表に出てこれなくなったけれど。噂では、修道院に送られたとかなんとか。
でも、アルベール様が普通に私と接してくださればこの嫌がらせは少しでも減っていたと思う。だって、相手方のご令嬢はいつもおっしゃっていた。
――嫌われているのに、未だに付きまとうのね、と。
「アルベール様が、どういう意味であんな態度を私に取っていたのかは分かりません。ですが……それでも、それでもっ! 私は辛かった……!」
嫌味とか言われて、嫌がらせをされて。たかが子爵令嬢のくせにって見下される。そんな日々がどれだけ辛いか。男性のアルベール様にはきっと理解できないだろう。普通、こういうシチュエーションでは婚約者が守ってくれるのが鉄則だろう。なのに、その婚約者であるアルベール様は私のことを嫌うような態度。これで苦手になるなという方が無理だった。
「シュゼット嬢……」
「おかげで私はアルベール様のことが大の苦手になっちゃったんですからね!」
そして、勢いに任せてそんなことを言ってしまった。……それから三秒後。激しい後悔が私を襲った。