「光れ、夢を追え」
「私、この小説好きかも!」

私の所属する文芸部の部室。同じ部活に所属する友だちが私に渡したノートから顔を上げて、私は笑う。

「ありがと〜!みーちゃん、大好き!そう言ってくれるの、みーちゃんだけなんだよ」

そう言って、友だちの絆(きずな)ちゃんは私に抱きついた。

絆ちゃんは、私が小学生の頃からの付き合いで、中学も高校も一緒。明るくて、すごくポジティブで、とても優しくて。おまけに可愛い。

私の自慢の友だちなんだ!

クラスは違うし、絆ちゃんにはたくさんの友だちがいるから、部活の時くらいしか会えてないんだけどね。

「そうなの?」

しばらく私を抱きしめていた絆ちゃんは、私から離れると、今度は「そうなの!」と言いながら私の肩に手を置いた。

「絆ちゃんの書く小説って、全部面白いんだけどな……」

絆ちゃんは、ネットに自分で書いた小説を投稿してて、何度も賞を取るくらい上手なんだ!

将来、絆ちゃんは小説家になりたいみたい。絶対なれる!絆ちゃんなら!

「ありがと~!」

そう言って、絆ちゃんは元気よく笑った。その時、部長である本田先輩が「時間になりましたので、今日の部活はこれで終わります!」と言う。

「もう部活も終わりかぁ……絆ちゃん、私これから図書室に行くんだけど……一緒にどう?」

部活が終わった時間から、1時間くらいは開いている図書室。
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