晩餐


そんなところも、かわいい。


おもわず笑ってしまうと、羽生先輩はむすっとしていた顔をほんのりゆるませた。
不服そうでいて、敵わないといったように目を伏せる。


ああ、やさしいな。


こんな場面でこんなこと言ったら本当に拗ねてしまうだろうから口には出さないけど。


羽生先輩と話していると、どこにも棘なんてない柔らかなものに触れている気分になる。



「先輩、先輩」


「うん?」


「かわいい」



私なんかより、ずっと。


懲りもせず言う私に
羽生先輩は「なんなのさー」と困ったように眉を下げた。


かわいいなぁ。


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