晩餐


「いいんですか。あとからものすごいペナルティが下されるかもしれませんよ」


「かまわないよ。むしろ、僕の永遠ちゃんを粘着質に脅かしてきたんだから、どんな手段を使っても道連れにする」


「神様を…ですか?」



先輩の横顔をのぞきこむ。


その瞳は真っ黒だった。


光の宿らない底知れぬ色。
 


「きみに害を及ぼす存在は僕が全部殺してあげる。たとえそれが…神だろうとね」



天使というものは、悪魔より恐ろしいと誰かが言っていた。


慈悲なく、迷いなく
決めた者に手を下してしまう冷酷さ。
声の届かない神聖な生き物。


隣にいる美しい人も、そうなのだろうか。



「愛する天使を守るためなら
僕は悪魔にだってなるよ」


ちがう


「永遠ちゃんのいる空間は清らかでなければいけない。綺麗な空気を吸って、綺麗な風を浴びて、純白の羽を保つんだ」


ちがう


「悪いもの退治は僕にやらせて?
美しい天使を守るのも、創るのも、触れるのだって、僕以外に許してはいけないよ」



弓状に歪められた瞳に、凶悪な光が宿った。


もしこの手を振りほどいたら


愚かな私に…天使からの罰が下される?



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