離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています〜after storyハネムーン編〜
それでもって、二年前ほど前から会長は、本格的なご引退に向けて身の回りの準備を始めている。今ではほとんど会社に顔を出さなくなってしまった。なので、私も会うのは久々にだったりする。
淋しく思うこともあったけれど、こうして定期的に元気な姿を見られるから、安心している。
「待ってたよ、遅かったね」
いつもの感じで永斗社長と奥様の来美さんが出迎えてくれる。
「実家を出る前に少し立て込みました」
「ははは、てっきり島田が〝行かせたくない〟ってゴネたのかと思ったよ」
「そんなことするわけないでしょう……」
……永斗社長は何でもお見通しだ。
遅くなったのは、芽依が斗真君へ渡すお手紙を探していたからだが、千秋さんは心でずっとゴネていたと思う。
なんて思いながら、相変わらず軽口を交わす千秋さんと永斗社長の傍で来美さんに「本日は、ありがとうございます」と差し入れと共にご挨拶をした。
差し入れには、シェフに調理していただきたい千秋さんオススメのお肉と、奥様がとても好きだという本橋屋の和菓子を持ち寄った。
とても嬉しそうにしてくれて(特に和菓子を)、私までほっこり心が温かくなった。