【短】6月のキミとメランコリー
_____氷雨くんだ
氷雨 翠。
彼とはクラスも違うし、ちゃんと喋ったこともない。知っていることは女子から人気があるってことと、学年1位の成績ってこと。
ガタッ
足がドアにぶつかり音を立ててしまう。
それに気づいた彼はこちらに視線を向ける。
「......しぐれさん、?」
「...こんにちは」
私の名前知ってるんだ、という驚きと話しかけられた戸惑いで適当な挨拶をならべてみた。