冷徹魔王な御曹司は契約妻への燃え上がる愛を手加減しない【極上スパダリ兄弟シリーズ】
「藤井さん、危ない!」と副社長が叫んだので、その声で反射的に身を引いた。
目の前には副社長の手。きっと私を守ろうとしたのだろう。本当にお優しい。
「大丈夫だった?」
 心配そうな顔で聞かれ、「大丈夫です。網の交換を頼んできますね」と笑顔で返して席を立つ。
 店員に網の交換を頼むと、トイレに行って、髪を結び直した。
「髪が燃えなくてよかった」
副社長って本当に完璧で、欠点がない。彼が女性社員に絶大な人気があるのもわかる気がする。
 しばらくしてトイレを出たら、薄暗い通路の五メートルほど先に、副社長の姿が見えて足を止めた。今朝『副社長をものにする』と豪語していた小春ちゃんもいる。
 相当酔っているのか、「副社長、この後ふたりで抜けませんか?」と迫っていた。
 後輩のやらかしに瞬時に顔が青ざめる。
「君、飲みすぎだよ」と副社長が優しく対応しているけど、小春ちゃんは副社長のメガネを取ってフフッと笑った。
「付き合ってくれなきゃメガネ返しません」
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