唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 「早くあまねさんのところに行ってあげてください」



 思った以上に笑顔がひきつってしまった。

 崩れそうな顔を見られたくなくて床に視線を逃がす。



 「一緒に行かない? 天禰に琉乃ちゃんを紹介したいんだ」



 ……え?



 「帰りは家まで運転手に送らせるから」
 


 自分のものとは思えないほど、強い拒絶反応が出た。

 どうしても行きたくなくて、手と顔をオーバーに振る。



 嫌だ。

 あまねさんのお墓に行ったら、嫉妬で涙があふれてしまいそう。

 なんとか言い訳を……



 「私の家は高速に乗らないといけないくらい遠いですし、かなり時間がかかってしまいますので……送ってもらうというのは……」


 「狭い車の中で琉乃ちゃんを独占したいな。ドロドロに甘やかしたいし。ねっ、一緒に来てくれるでしょ?」

 

 えっと、別の説得を……

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