唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 意識をはっきりさせたくて、痛み頼みで唇を強く噛みしめる。

 脱力したように横を向き、片頬ほほをマットレスに押し当てた。

 無防備にさらされている反対の頬に腕を当て、呼吸を落ち着かせながら背中を丸める。



 まだ唯都様は私に覆いかぶさっている。

 けれど顔を隠しているから、これ以上のキス攻めはされないはず。



 とりあえず体中の熱を下げなきゃ。

 呼吸を落ち着かせて。

 オメガフェロモンを鎮めて。



 心臓に手を当てゆっくりとさする。

 深く深呼吸をしてドキドキを口から吐き出しみた。



 少しだけフェロモンの高ぶりが凪いだと安心したのもつかの間、再び肌を殴りだした心臓。

 何事かと思いきや、正解にたどり着いたのは脳よりも私の背中が先で。

 横向きで寝ころぶ私の背中に、大好きなぬくもりが伝わってくる。



 片腕は私の腕に絡みついて。

 もう片方の手は、私の後頭部を撫でていて。

 唯都様に背後から抱きしめられているんだと思ったら、首筋がカァっと火照りだしてしまった。

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