振り向けば、キス。
――初めて会ったとき、私を見て楓が微笑んでくれたあのときから。

私にとって、楓は絶対だった。

それはきっと、これからもずっとなんだろう、と。そう思う。
楓が、私を見捨てない限り。きっとずっと続く。


**


「っ重た……波樹もでかなったなぁ。初めて会ったころは、ほんまにちっこかったのに」


そう言って、ベッドに寝かしつけた波樹を見ながら笑う楓は穏やかで、氷沙はなんだかほっとした。


「そだね。いつのまにか楓より身長だけおっきくなっちゃったもんね」


< 35 / 366 >

この作品をシェア

pagetop