振り向けば、キス。

高原には、とある1週間の記憶がまるでなかった。それはちょうど依頼をしにこの神社に押しかけた翌日からのことだったのだが、気がついたときには総合病院に入院していて、青い顔をした母親が自分の手を握っていたのだ。

母親は、1週間自分は倒れていたのだといった。その間、街からは光が消え、化け物のようなものに襲われる人が耐えなかったという。また人間同士の犯罪も異常に多く、日本ではないようだったと震える口で、そう語ったのだ。自分には全く意識がないから、中々信じがたかったが、母親のひどく疲れ果てた顔と、病院にしては騒々しすぎる気配、そして自分自身の待った組に覚えのないことで犯罪者とされた現実を思い出し、これはきっと自分などでは関与できないような恐ろしいことが起こったのだと、高原は知った。

それを機に、天野楓と雨宮氷沙が姿を消したらしい。
それから2週間後再開された学校は、その話題で持ちきりだった。そして恐ろしいことに行方不明になったのは、何も彼ら二人だけではなかった。
高原たちの高校の生徒も、あの暗黒の一週間で2人が命を奪われていた。
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