異世界獣人の国で介護施設を始めます!

「ユカリどうした。困っているのか?俺と番になるのは嫌だったか?」

「あっ……嫌とかそう言う事では無くて、何でこのタイミングだったのかなって」

「ああ……それは俺達が真の名、真名を言い合ったからだろうな」

「真の名?」

 本名か……本名を言ったからなのか?

「ユカリが真の名を教えてくれたのは、そういう意味では無かったのか?」

 眉を寄せて寂しそうな顔をするレオ。

 悲しそうな顔……。

 そんな顔をしないで。

 私はレオの体を強く抱きしめた。

 祝福されてしまったのだから仕方が無い。

 神様は王子との結婚に尻込みをする私の背中を押してくれたのだろう。

「ううん。そう言う意味だよ。レオ大好きよ。私を幸せにしてね」

「ああ、必ず幸せにする。この世界で一番幸せにしてみせる。なにせ俺達は運命の番だからな」

「運命の番?」

「そうだ。本能的に惹かれ合い、全てを捧げても良いと思うほどの存在。俺は初めからユカリが運命だと感じていた」

 思い返してみたら、確かに初めて会ったその日からレオは甘い空気を漂わせていた。好意も感じていた。それを見ない振りをしていたのは私だ。

 運命の番……。

 私がこの世界にやって来たのも運命……。

 全ては神によって操作されていた?

 私達の頭上から更に銀の光が降り注いだ。

 神様からの祝福の大盤振舞に驚きつつも、エンはこの世界にトリップしてすぐ、森を彷徨い続けた数日を思い出していた。

 神様がいたのならどうしてあの時に助けてくれなかったのですか?

 イラッとしながら、心の中で問いかけたが答えが返ってくることは無かった。しかしその代わりにとでもと言うように、銀色の光がこれでもかと降り注いだ。

 ごめんなさいとでも言いたいのだろうか?

 こんなことでは騙されないぞ……と思う反面、レオが神からの祝福に嬉しそうに顔の表情を緩めているのを見て、まあ良いか……と思ってしまった。

 レオが嬉しそうだから、今回は許して上げますよ神様。

 神様に失礼だとは思ったが、これが私の本音だから仕方が無い。

「エン、これほどの神の祝福は見たことが無い。良かったな」

「良いことなのですか?」

「もちろんだ。これだけの祝福だ、幸せな未来がまっていることだろう」

 なるほど……。

 それなら神様に感謝しなくてはいけないな。

 神様、私達が幸せになれるようにこれからも導いて下さいね。

 天から降り注ぐ光を眩しそうに見つめていたレオの瞳が熱を帯び、キラリと光った。

「エン、愛している」

 私はこの獣人達の住まう世界で、幸せになろう。

 天から降り注ぐ美しい光を浴びながら、私達は唇を重ねた。



 



     * fin *


















































































































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