人生終了のお知らせが届きました
 孝弘は、フッと微笑み、紗理奈の頬に手をあてた。

「一度手に入れたものは、二度と手放す気はないんだ。俺から、逃げられないと言っただろ」

 今にも、唇が触れそうな距離で囁かれ、紗理奈の心臓は痛いほど動く。

「それって……」

「好きでもないヤツと一緒に暮すわけないだろ」

「タカ兄……」

「恋人同士になるんだから、タカ兄じゃなくて、孝弘って呼べよ」

「たか……ん、んふっ」

 名前を呼ぼうと少し開いた唇に孝弘の唇が重なった。
 紗理奈にとって初めての口づけは、溶けそうなぐらい熱くて甘いものだった。
 孝弘の背中に回した手にギュッと力を込める。
 優しく重なっていた唇が、チュッと音を立てて離れた。そして、紗理奈の目の前は孝弘でいっぱになっている。

「好きだよ。紗理奈」

「私も……好き。孝弘さんの事が好き」

 唇が再び重なった。それは、啄むような優しい口づけが、幾度となく繰り返される。
 それがだんだんと深い口づけに変わって行くと、紗理奈は頭の芯が蕩けるような快感で体の力が抜けていく。
 ソファーの上に倒れ込んだ、ふたりの影が重なり、部屋の空気は甘い密度を増した。

「紗理奈の事は俺が守るから、一生そばに居ろ」

「孝弘さん……」
 
 
 ~終わり~
 
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