☆トライアングル☆
あのあと学食で

リクは私に気付く事なく

「二ノ宮さん」とみんなからそう呼ばれる、絶世の美女と楽しそうにランチをしていた。

私は何だか息苦しくなって

折角悩んで決めたB定食も半分くらい残してしまい

昨日に引き続き、ひなちゃんを心配させる結果となってしまった。

今日は早々と学食を引き上げ、今はまた屋上の柵に寄りかかりながら
ひなちゃんに励まされている。

「大丈夫?しーなちゃん」

「うん、大丈夫。心配してくれてありがと、ひなちゃん」

そう作り笑いをして答える。


「しーなちゃん、リク君の事・・・」

そう言ってひなちゃんは
私なんかよりずっと悲しそうな目で
私を見た。

「自分だけちゃっかり彼女とか、しかもあんな美人の彼女なんか作ってさー。ほんとリクってずるいよねぇ~」

明るく言ってみる。

「でも、いい機会なのかも。
リクが私から離れるのと、私がリクからひとり立ちするのと。
ほんとに丁度いい機会なのかもしれないなぁ」

そう言って、空を見上げる。

あ~、今日の空は曇りだなぁ。
白と黒を混ぜて作る、中間色の灰色の世界だ。
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