【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
(それに、私はルーシャン殿下のことを好いていないわ。どちらかと言えば、同類だって思っているだけ。多分、同類だからこそ、情が移ってしまったのでしょうね)

 自分と同じ引きこもり。どことなくひねくれていて、素直になれない。そういう部分を見れば、自分たちは本当にそっくりでお似合いなのかもしれない。けれど。

(私は、男性が嫌いよ。あの色欲を含んだ視線が、嫌なのよ。……ルーシャン殿下はそうじゃないけれど、結局同じ男性じゃない)

 幼い頃に感じた恐怖を、未だによく覚えている。今は深く関わらず話すだけならば問題のない程度に落ち着いてるものの、昔は男性だけで拒絶反応を起こすこともあったのだ。……多分、その点はルーシャンも一緒なのだろう。彼の場合は、筋金入りの女性嫌いとなってしまったが。

「……けれど、どうなのかしらねぇ」

 ふと、窓の外を見つめながらそう呟いてしまった。

 ルーシャンと離縁したところで、もしかしたら両親は新しい結婚話を持ってくるかもしれない。ドロシーが嫌だといえば、ある程度はその意見を尊重してくれるはずではあるが、やはりいろいろと両親にも複雑な思いがあるはずだ。

「……だったら、このままルーシャン殿下と仮面夫婦を続けたほうが、いいのでは……?」

 一応夫婦という関係性を貫き、養子を迎えれば何もかも解決なのではないだろうか。そんな感情が、ドロシーの心の中に芽生えていた。

「……お嬢様」

 ドロシーのつぶやきを聞いたためか、リリーがそんな風に声をこぼしているのが分かった。リリーはドロシーの一番そばにいる。だから、ドロシーの変化についても気が付いているはずなのだ。
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