【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
ここ最近ずっと調合に明け暮れていた。それが終わったかと思えば、今度は夫が死にかけている。そうなれば、ドロシーの疲労は凄まじいと侍女は判断したのだろう。……実際、寝不足で今にも倒れてしまいそうだ。
「ルーシャン殿下」
もう一度彼の名前を呼ぶ。王城の従者や医者は優秀な人間ばかりである。すでに彼にポーションは使用したのだろう。それに、ポーションは一日に使用限度があるものがほとんどだ。そうしないと、身体を壊してしまう。
「……そもそも、私、貴方に出世払いでポーションを渡しましたよね? その代金、まだいただいていませんよ」
眠る彼に小さく声をかけ続ける。
「言っておきますが、私は貴方のことがあまり好きではありませんよ」
「本当にひねくれた口ばかりされていて、その美貌が台無しですわよ」
「私が心配して差し上げているのですから、さっさと戻ってきなさい」
そんな病人にかけるような言葉ではないものも、たくさんかけた。こんな風に憎まれ口をたたいていれば、彼が「うるさい」の一言と共に目を覚ますと思ってしまうのだ。
「……バカですか?」
最後にそう声をかける。その声は自分でも驚くほど震えていた。
「……ここで死んだら、私、一生恨みますから」
小さくそう呟いて、ドロシーは募り募った眠気に抗うことが出来ず――眠りに落ちてしまった。
「ルーシャン殿下」
もう一度彼の名前を呼ぶ。王城の従者や医者は優秀な人間ばかりである。すでに彼にポーションは使用したのだろう。それに、ポーションは一日に使用限度があるものがほとんどだ。そうしないと、身体を壊してしまう。
「……そもそも、私、貴方に出世払いでポーションを渡しましたよね? その代金、まだいただいていませんよ」
眠る彼に小さく声をかけ続ける。
「言っておきますが、私は貴方のことがあまり好きではありませんよ」
「本当にひねくれた口ばかりされていて、その美貌が台無しですわよ」
「私が心配して差し上げているのですから、さっさと戻ってきなさい」
そんな病人にかけるような言葉ではないものも、たくさんかけた。こんな風に憎まれ口をたたいていれば、彼が「うるさい」の一言と共に目を覚ますと思ってしまうのだ。
「……バカですか?」
最後にそう声をかける。その声は自分でも驚くほど震えていた。
「……ここで死んだら、私、一生恨みますから」
小さくそう呟いて、ドロシーは募り募った眠気に抗うことが出来ず――眠りに落ちてしまった。