玉響の花雫    壱
ピンポーン

「‥‥‥‥ん‥」

チャイムの音らしきものに、ウトウトしつつも私が目を開けると、筒井さんの腕の中に抱きしめられたまま眠ってしまったみたいで、そこから綺麗な寝顔をそっと見上げた。

筒井さんより先に起きるなんて滅多にないから寝顔をを見れて嬉しい‥‥


ピンポーン


えっ?


夢の中で聞こえたチャイムがさっきよりもリアルに耳に届くと、筒井さんが目を覚まして私を
もう一度抱き締めた


「つ、筒井さん‥‥あの誰か」

『いい‥‥放っておけ‥‥』


ピンポーン‥ピンポーンピンポンピンポンピンポンピンポン


えっ!!?なに?怖いんだけど!?


『チッ‥‥まだ寝てていい。』


筒井さんが舌打ち!?

ピンポンが鳴り止まない相手に相当苛立っているのか、リビングに行くとインターホンに向かって怒鳴った


『いい加減にしろよ!通報するぞ!』


ええっ!?


すっかり目が醒めてしまい、ベッドの上でドキドキしていると、玄関のドアが開けられて、聞き慣れた声が聞こえて来た。


『おっはよーー!!滉一君、一緒にモーニング行かない?』

『行かない。帰れ!』


『なんでー?ん?おや?おやおや?‥女性ものの靴があるね?もしかして霞ちゃんいるのーー!』

『煩い!!本当に帰れって!!』


今日はゆっくり筒井さんと寝坊してブランチする予定だったのに、朝の7時に飛び込んできた蓮見さんに寝室で寝ていた私は恥ずかしくて布団の中に潜り込んだ


一緒に寝てたって知られるのが恥ずかしいし逃げ場がない‥‥


寝室の内鍵を慌ててかけると、荷物から服を取り出し着替え、寝室からそっと出て洗面所で急いでお化粧を軽くした。


余韻に浸ることもなく、賑やかなリビングに行けば、機嫌が悪い筒井さんとは裏腹に私を見つけるた蓮水さんが勢いよく飛びついて来たので逃げ回った


『で?』

『で?ってなんだよ。』


結局近くのカフェに3人でモーニングに来ることになってしまい、オープンカフェテラスで熱い
カフェオレを飲みながら2人を交互に眺めていた。


筒井さん全然笑わないな‥‥
本当に眠そうだったし、機嫌が悪いのが目に見えて分かる‥‥


『何か言うことない?』

『は?何もない。というか食べたら帰れよ。あとこれからは約束してないのに来たら通報するからな。』


ハハッ‥‥筒井さんなら本当にしそうで苦笑いしてしまう


『ふーん‥ま、いいや。ねぇねぇ霞ちゃん。10月の連休にまた別荘に行くけど一緒に来る?』


「えっ?‥行きたいです!!古平さんも亮さんも一緒に行けるんですか?」


5月に行った時に秋も行くって確かに言ってたけど色々な事があり過ぎてすっかり忘れていたのだ。
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