玉響の花雫    壱
『ちょっと!霞どうしたの?その目!』


面談が終わった後、そのままトイレで少し顔を直したけど、目は腫れたままで菖蒲を心配させてしまった


仕事を終えてから2人で晩御飯を近くの居酒屋で食べながら1ヶ月間の小さなお疲れ様会をしていたのだ


普段はあまりお酒は飲まないけど、GWに入る前だし、なんとなくお酒が飲みたくなり2人で乾杯をしてから食事を楽しんだ



「総務課の好評聞いたら嬉しくて泣けちゃったんだ。菖蒲はそのまま企画部にしたの?」


『うん、厳しいし残業もあるけど、やりがいが欲しかったからそのまま継続希望したよ。』


他の同期もみんな継続で、他の部署を選ぶ人は誰1人いなかった。


それくらいこの企業はいい人たちに
恵まれているのだなと思える。


『それより、霞って筒井さんのこと、気になってるでしょう?』


「えっ?ゴホッゴホッ‥な、なんで?」


ビックリして飲んでいたお酒を吹き出しそうになり、むせてしまう。


『んー‥‥なんとなくかな‥‥。目が恋してるっていうかさ、そういうのって無意識に相手に
出ちゃうじゃない?だからそうかなって。』


嘘‥私‥そんな顔しながら働いてるの?


思わず恥ずかしくなって両手で顔を覆ってしまう

蓮見さんにも似た感じのこと言われたし、このままだとまずい気がする。


「じ、実はね‥ここの会社に入る前に筒井さんに告白したんだ‥‥。」


『えっ?元々知ってたってこと!?』


筒井さんがバイト先に来てくれていたお客様だったことや、傘を貸したお礼にネックレスをもらったこと。そして告白した時に、私が傷つかないように優しく笑顔で接客を褒めてくれたことを菖蒲に少しずつ話した。



『でもさ、それって付き合えないとは言われてないってことだよね?』

えっ?


そう言われるとそうかもしれないけど、優しい筒井さんが濁してくれたってずっと思って過ごしてきた。


『霞はさ‥‥‥まだ好きなんでしょ?』

「‥‥‥‥うん。でも‥‥よくわからなくなった。」

会社では部下として接するつもりだし、叶わないから諦めた初恋だった。


大人の対応で接してくれた筒井さんだからこそ、私も普通に接したいって思えたのだ。


それなのに‥‥車で送ってくれたり、面談の時に優しくしてくれたりと、部下に当たり前にしていることなのかもしれないけど、どんどん知らない筒井さんを知る度に、あの時とは違うもっと大きな気持ちを抱いてしまっている気がする。


『想うだけなら誰にも関係ないよ。私は霞がこういうこと話してくれるの嬉しいしね。』


菖蒲‥‥


ご飯を食べ終えた私は、菖蒲と別れてから駅に向かって歩いていた。


GWは実家といっても近いんだけど、お母さんと妹が住む家に帰るつもりだ。明日はとりあえずゆっくり寝て掃除でもしようかな‥‥


『お疲れ様。』

えっ?
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