俺様レーサーは冷然たる彼女に愛を乞う
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『ファンミーティングが終わり次第、出社して下さい』
人気ロックバンド『Blue Moon』のファンミーティングが今日行われる予定で、その為に帰国した羽禾。
メイク室で準備をしていると、アナウンス部の野口部長から簡素なメールが届いた。
サテライトスタジオの公開収録以来、何かと声をかけて貰っている羽禾。
ボーカルでリーダーの宝はファンにも『笹森推し』だと公言していて、『Blue Moon』のファンサイトでは最近、F1トークで盛り上がっているのだとか。
ファンミーティングは新曲も含め10曲ほど披露され、トークショーでは宝とメンバーによるサプライズ私物プレゼントが行われた。
その宝の私物に、サイン入りのF1限定キャップがあったのだ。
*
「お疲れ様でした。素敵なファンミ―ディングに参加させて頂き、ありがとうございました」
「こちらこそ、お忙しい中、ありがとうございます!あのっ、一緒に写真いいですか?」
「え?……あ、はいっ、もちろんです!」
メンバーと一緒の写真と、宝は羽禾とのツーショット写真をマネージャーに撮って貰った。
「今度、メンバーとご飯でもどうですか?」
「いいですね」
「本当ですか?!」
「おい、宝。あんまガツガツすると、嫌われんぞ」
「っ……、すみませんっ、調子こきました」
「いえいえ、お時間が合えば、是非♪」
「うおっ、めっっっちゃかわいぃぃ~~!マジ、タイプっす!」
「アハハッ、ありがとうございます♪」
羽禾はにっこりと愛らしく微笑む。
この手の誘いはよくある。
1対1は当然無理だが、メンバーやマネージャーさんも一緒なら食事くらい幾らでも。
アナウンサーは、こういう交流が後の仕事に繋がるからだ。
『ファンミーティングが終わり次第、出社して下さい』
人気ロックバンド『Blue Moon』のファンミーティングが今日行われる予定で、その為に帰国した羽禾。
メイク室で準備をしていると、アナウンス部の野口部長から簡素なメールが届いた。
サテライトスタジオの公開収録以来、何かと声をかけて貰っている羽禾。
ボーカルでリーダーの宝はファンにも『笹森推し』だと公言していて、『Blue Moon』のファンサイトでは最近、F1トークで盛り上がっているのだとか。
ファンミーティングは新曲も含め10曲ほど披露され、トークショーでは宝とメンバーによるサプライズ私物プレゼントが行われた。
その宝の私物に、サイン入りのF1限定キャップがあったのだ。
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「お疲れ様でした。素敵なファンミ―ディングに参加させて頂き、ありがとうございました」
「こちらこそ、お忙しい中、ありがとうございます!あのっ、一緒に写真いいですか?」
「え?……あ、はいっ、もちろんです!」
メンバーと一緒の写真と、宝は羽禾とのツーショット写真をマネージャーに撮って貰った。
「今度、メンバーとご飯でもどうですか?」
「いいですね」
「本当ですか?!」
「おい、宝。あんまガツガツすると、嫌われんぞ」
「っ……、すみませんっ、調子こきました」
「いえいえ、お時間が合えば、是非♪」
「うおっ、めっっっちゃかわいぃぃ~~!マジ、タイプっす!」
「アハハッ、ありがとうございます♪」
羽禾はにっこりと愛らしく微笑む。
この手の誘いはよくある。
1対1は当然無理だが、メンバーやマネージャーさんも一緒なら食事くらい幾らでも。
アナウンサーは、こういう交流が後の仕事に繋がるからだ。