カフェとライター ≪Backstory≫
なんか…ちょっとその姿が可哀想に見えてきた。少しふてくされたように吐き捨てた戒李に焦って憂ちゃんが手と首をぶんぶん振りながら否定する。
「いえ…そう言うわけでは…、、生半可に好き、って言っていいものか悩んで…」
真面目か。確かに。すんごい熱烈なファンと比べたら…
ってか好きでいてくれるのに、人と比べる必要なんてないのに。
「生半可でも全然好きでいいけどなー」
笑いながらもっと軽くでいいんだよ、と伝える新に激しく同意する。
「で?」
好きな曲は何?と続きを促されてる。なんだろ。デビュー曲かな?最近密着するってなって聞くのはデビュー曲とか新曲だろうし…
でもCMの主題歌だったやつが有名か?
勝手に予想をしながら
答えを待てば。憂ちゃんはうぅー…と考えてぼんやりと一点を見つめた後。
「…return…」
ぽつり、呟いた曲。
予想外の答え…多分、メンバー誰も予想してなかっただろう答えに
思わずえ、と驚いた声を出してしまった。
新も目を見張り、憂ちゃんを見る。
その視界の中で、声も表情も見せなかった……と言うか見えなかったけど。
戒李も。
ピクリと体が反応していたのをちゃんと確認した。
「だった、と思うんですけど、ありますよね?どの歌も素敵だなと思うんですけど、私は、その歌が一番好きです」
誰も、何も言わない。