ANEMONE〜恋に終わりを告げたなら


遥斗の視線を辿った優香里さんは私を見て、一瞬驚いた表情を浮かべる。息を呑むように目を見開いた。


優香里「・・・っ。あら、可愛い女の子もいたのね。誰かの彼女さんかしら」

驚きはほんの一瞬で、そのあとは他人に向ける時と変わらない微笑と調子のいい言葉。
その様子を見て、私は内心小さく笑った。

ーーそりゃそうだ。
この人からしてみれば、捨てた私なんて他人だよね笑。


何を期待していたんだか……。
馬鹿だな……。
期待しても、意味なんてないのに。


何年待っても、来なかった人じゃない。
記憶のない娘に会いに来なかったじゃない。


期待するだけ無駄だ。
私は捨てられたんだから。


衣乃「可愛いですよね!さぞかし両親とも美形なんだろうな」


何も知らない衣乃は的外れに同意を求めている。
よほど、衣乃の方がこの人の娘に見える。
笑えるほど。


呆れるくらい、


自分は傷ついているんだと。


思い知らされる現実に、笑えてくる。




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