傾国の貴妃
――正室
それは私たち王に仕える姫たちにとって特別な響きを持つ物だった。
正室、つまり意味する所は王の一番の寵姫。
数ある姫君たちの中でも確固たる地位を確立する。
大抵はサマルハーンの姫君がその地位を担う。
それが自然で、それが道理。
しかしギルは今までその地位に誰も置こうとはしなかった。
こんなことは歴代初の出来事で、当然ながら要らぬ憶測が飛んだ。
そんな時に私とギルの噂が蔓延る。
最近は城中が“正室”の話題に敏感になるのは当然の話で。
でも私には何だか現実味のない話だった。
二人が近付いて来る。
顔が上げられない。
エリザベート様がギルに正室に……?
じゃあ、私は――
それは私たち王に仕える姫たちにとって特別な響きを持つ物だった。
正室、つまり意味する所は王の一番の寵姫。
数ある姫君たちの中でも確固たる地位を確立する。
大抵はサマルハーンの姫君がその地位を担う。
それが自然で、それが道理。
しかしギルは今までその地位に誰も置こうとはしなかった。
こんなことは歴代初の出来事で、当然ながら要らぬ憶測が飛んだ。
そんな時に私とギルの噂が蔓延る。
最近は城中が“正室”の話題に敏感になるのは当然の話で。
でも私には何だか現実味のない話だった。
二人が近付いて来る。
顔が上げられない。
エリザベート様がギルに正室に……?
じゃあ、私は――