おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

歓迎パーティー

***

 三日後の事です。
 私はいつものように目覚め、朝日を眺めていると、ふらっと現れたカルアさんが言いました。

「皆でマリアの歓迎パーティーを開きたいんだけど、どう?」
「歓迎パーティー、ですか……?」

 楽しそうではあるけれど……。
 参加してくれなさそうな方もいらっしゃいますし、一部のメンバーだけだとかなり少数な気もします。
 第一、私のためにわざわざパーティーを開いて下さるんですか……?

「因みにティアの許可も下りてるんだけど」

 私の考えがお見通しのカルアくんは、私を見たがら親指を立ててグーッとポーズをしました。

「本当ですか……?」
「私に聞かないで下さい」

 心配になり、ティアさんがいるバルコニーの方を向くと、ティアさんは面倒くさそうに言いました。

「……まぁ、いいんじゃないですか。皆と食事をするのも楽しいですしね」

 ティアさんはバルコニーの柵に肘を着きながら、「今回くらいは私も参加します」と付け足します。

「ティアさんありがとうございますっ! ……あれ、でもどこでやるのでしょう。先日私が会ったセニシエさん、セインさんもお友達なんですよね……?」

 私は例の二人が気になり、カルアさんに問いました。
 因みに二人のことはお城に戻った後、森の二人、お城の二人、双子、皆共通したお友達だと教えて頂きました。

「そのことなんだけど、二人は不参加だって」
「あら……」
「事情が事情だから、マリアのせいじゃないよ?」

 カルアさんは気を落とさないで、と慰めてくださいました。
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