おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~
 ――お城へ戻ると丁度食事の時間でした。
 カルアくんはいつものようにすぐ消えてしまい、私は大人しく食堂へ向かいました。
 そこには無事に赤いマントを身につけたシェルディさんもいて、一応着席しているといった様子でした。

「――では、いただきます」
「いただきます」

 食事に手をつけますが、上手く飲み込めません。
 こんなにも美味しいお料理が並んでいるというのに、空気が重いのも何だか苦しいです。

「マリアが来てしばらく経つけど、初めてこんな静かだよ」

 イバラさんは苦笑しました。

「確かに、すぐ『綺麗』、『美味しい』、『おかわり』ですからね。――ほら、シェルディさんもわかるでしょう?」
「想像つくな……」

 頷きながら、ティアさんも言いました。
 彼らはあくまで日常を装って、晩餐を楽しもうとしている感じがします。
 ならば、私もいつものようにした方がいいでしょう。

「そうですよね。私が静かなのもおかしな話ですよね。確かにしょうに合いません……っ」
「はははっ、うん。元気なマリアを見せて」

 イバラさんはそう言ってくださいます。

 だけど、だけど……!

「わ、私はもうわかりません……っ!」

 食事中だと言うのに、叫ぶ勢いで言葉を発してしまいました。

 あぁ、心の中にしまっておくつもりが……。
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