おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~
「――今日から新しい妻がやってくる」

 お父様はさらりとそんなことを言いました。

「新しい、お母様……?」
「そうだよ。隣国のお金持ちなんだ」

 シュネージュは混乱しました。
 お母様が亡くなって僅かな時しか経っておりません。
 しかし、お家柄そういうことがあってもおかしくないことは、十分理解できる年齢でもありました。

 だけど、隣の国って……。

 それよりもシュネージュは、隣国という言葉に耳を疑っていました。
 隣国といえば、ここ数年仲がとても悪いのです。
 何より、数年前戦争があったばかりです。
 なんとかこちらが勝つことはできましたが、多くの犠牲者を生んだのを、幼いながらに聞いて知っています。
 我が国では隣国を拒絶する風潮も多々見られ、そのような者がこの国で過ごせるのか――と。

「何、心配はいらないさ。シュネージュは今まで通りでいいんだよ」

 お父様は頭をぽんと撫でてくれましたが、困惑は止まりません。
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