甘い仮面に騙されない!


「私はなにも見てませんので、失礼します…」




玄関前に立つ小宮山 錬の横を、すい~と通り過ぎる。




「はは。相変わらずの避けっぷり」

「………」

「無視かよー。毎日不機嫌じゃん」




………誰のせいだと思ってんの?



心のなかで悪態ついて、
うつむいたまま、ドアハンドルに手をかける。




「……さっきのこと、なにも聞かないんだ?」



面白がってるそんな問いかけ。

聞くことなんてなんにもない。



「……どうでもいいよ。お願いだから必要以上話しかけてこないで」

「ザンネン。俺らの関係上、そんなんもう不可能だと思うけど」



鼻で笑ったような。
勝ち誇ったような。


そんな笑いが落ちてきて、カチンとくる。




< 13 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop