甘い仮面に騙されない!
これには女の人もさすがに効いたのか、力強くつかんでた腕をするりと解放した。
すると、
「…………しんじゃえ、バカ!」
捨て台詞とともに、ばちん!と一発平手打ち。
そのまま駅のほうへと走り去っていった。
は、初めて見た。
男女の修羅場……。
びっくりしてたら、隠れることを忘れてしまって、
「………あ」
こっちを向いた小宮山 錬と視線がばちっと絡み合う。
「───覗いてたんだ? やらしー」
にやり、口角があげられた。
今さっきまでの冷えきった表情がうそみたい。
一瞬にして " 表側 " を見せてくるから、
私はこの人のことを
怖いと思ってる。