甘い仮面に騙されない!
「おはよう、みんな」
「「っ、キャーー!」」
あいさつ返されただけでこんな調子。
廊下中がビリビリ響いた。
「……栞那ね、錬くんにもスイーツ作ってあげたいなって」
「………本気?」
隣の栞那に目を向けると、
視線の先は紛れもなく小宮山 錬で。
思わずため息が出そうになる。
「……だって錬くんと他人のままなんてやだもん。栞那も錬くんとお話できる機会作りたいよ……」
瞳をうるうるさせて、こんなふうに好きな人を想う栞那を、私は素直に応援できない。
恋する相手が学校1のモテ王子だからとか、そんな単純な理由じゃなくて、もっと……。
「……いいなあ。れんれんは」
「? なにが?」
頬をピンクに染めたままの栞那が、ぷくうと口を膨らませる。